JOURNEY

Changing Cities, Evolving Craftsmanship

~変わりゆく街、変わり続けるものづくり~①

7年ぶりに中国を訪れる機会に恵まれた。
前回訪れたときと比べると、街の風景も、ものづくりの現場も大きく変化していた。
今回は、そんな中国で感じた変化や、現地で見聞きしたことをお伝えしたい。

出発前は台風の接近により天候が心配だったが、上海浦東空港へ到着すると、予想とは裏腹に空には青空が広がっていた。
その景色を見た瞬間、以前この地で台風の影響により飛行機が欠航となり、予定が大きく狂ったことを思い出した。
当時は慌ただしく大変な出来事だったが、今ではそれも旅の思い出として懐かしく振り返ることができる。

空港から縫製工場へ向かう道中、車窓から眺める上海の街並みは、以前訪れた頃とは大きく様変わりしていた。
大型の商業施設が立ち並び、片道4車線を超える広大な道路が続く。そのスケール感は日本と比べても規格外で、中国経済の勢いを改めて感じさせられる。

上海浦東空港 エアポートバス乗り場

同一デザインで統一された、大規模な高層住宅群

南通市は上海の北側、長江を挟んだ場所に位置する都市で、中国有数の繊維・アパレル産業の集積地として知られている。近年は高速鉄道や道路網の整備が進み、上海からのアクセスも大幅に向上した。
街には近代的な高層ビルが立ち並ぶ一方で、昔ながらの住宅街も残されており、急速な発展と日常の風景が自然に共存しているのが印象的だった。
また、多くの縫製工場や生地メーカーが集まることから、日本向けアパレル製品の重要な生産拠点としても知られている。
実際に街を訪れると、ものづくりがこの地域の産業として深く根付いていることを実感した。今回の視察では、その産業基盤を支える現場にも足を運ぶことができた。

400年の歴史を刻む南通の文峰塔

洗練された雰囲気のレストラン

最初に訪れたのは、ダウン製品を生産する工場だ。
現場では、パターンシームを活用した縫製工程やダウンパックの製作工程など、普段は目にする機会の少ない工程を視察した。
ダウン製品は保温性だけでなく、シルエットや着用感にも大きく影響するため、各工程には高い精度が求められる。
実際に生産現場を見学することで、一着の製品を支える技術や品質管理の重要性を改めて実感した。

特に印象的だったのは、以前訪れた頃と比べ、生産設備の自動化や品質管理のレベルが大きく向上していたことだ。
各工程では作業効率を高めるための設備が導入され、人の技術と最新設備を組み合わせた生産体制が整えられていた。
単なる大量生産の場ではなく、高品質な製品を安定して生み出すための仕組みづくりや品質管理への意識が随所に感じられ、中国のものづくりが新たな段階へ進んでいることを実感した。

ダウンパックを縫製するパターンシーマー

ふわっと広がる繊細なダウン

この工場で得た気づきによって、中国でのものづくりへの興味がさらに深まり、この後に訪問する別の工場ではどのような技術や工夫に出会えるのかという楽しみも一層大きくなった。次の視察でも、新たな発見や学びを得られることを期待しながら工場を後にした。

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